HSC 幸せな子に育ってほしい
あなたはお子さんに幸せになってほしいと思って子育てしていると思います。
幸せといっても、価値観によって求めるものは人それぞれですが、HSCの子の個性を考えた時に共通して大事だと言える要素があります。それは人付き合いで安心感を得ることなのです。
この記事ではHSCの個性を考えながら「なぜHSCが幸せに生きるためには人間関係での安心感が必要なのか?」と「HSCが幸せな子に育つための伸ばし方」をわかりやすく説明していきます。
幸福感を決定するのは母子の関係
感覚過敏よりも気を付けたいこと
HSCを育てていると「給食の匂いが苦手で辛い。」「先生の怒鳴り声が耐えられない。」「肌触りが悪いと文句が多い。」など、匂いや音、肌の感覚過敏が気になることが多いです。
実際にHSCはアレルギーの子が多く、アトピーだったり喘息だったり、花粉症も同時に発症していて、体調管理に手がかかるケースは多いです。それだけ体がデリケートだということです。
けれども、実は感覚過敏は「幸福感」と関連性が高くないということがわかっています。
なぜならそういった感覚過敏は、物理的にコントロールしやすいからです。
大人になれば自分の好みの食べ物や心地いいタオルや肌着、騒音の影響がすくない環境を自分で選ぶことができます。子ども時代でも、親や学校の理解があれば、環境を変えることでストレスを軽減することは可能です。
けれども人づきあいの問題は大人になってから改善するのが難しいものです。
なぜなら、人付き合いで感じるストレスや不安感は子ども時代にできた母子関係の愛情パターンが大きく影響するからです。
子ども時代に安定した母親の愛を得られない場合、子どもは人間関係というのは不安定で安心できないものだと学んでしまうのです。
安定した母親の愛を得られない場合とは例えばこんなケースです。
・母親が自分のことを理解してくれないと感じる。
・時と場合によって態度が変わる。
・忙しくてかまってもらえない。
・気持ちを受け止めてもらえない。
・否定や批判やお説教が多すぎる。
「母親とは安心できる存在だ。」「自分に変わらぬ優しさを注いでくれる人がいた。」と思えないのです。こうして傷ついた心を放置したままにしていると、他の人もきっとそうであると無意識に感じるようになるのです。
・人には理解してもらえない
・人はいつどう変わるかわからない。
・人は自分をかまってくれない。
・人は自分の気持ちを受け止めてくれない。
・人は自分を批判するものだ。
という考えがベースになるので、人と接した時に不安を感じ、この結果幸福度が下がってしまうのです。
人は社会で生きている限り人と接しないで生活することは難しいです。それに、人は人との関係の中で安心を感じることができると例え物質的に恵まれなくても、大きな刺激がなくても幸せを感じて生きていけるものです。
特にHSCは内的な満足度を求めます。精神的に安定していることがHSCにとってとても大事です。そのため、子どものうちに安心して人とつきあえるという感覚を育てていくことは過敏すぎる子には非常に価値のあることなのです。
HSCは周りから影響を受けやすい
HSCは周りから大きく影響されます。敏感すぎない子なら気にならないレベルのママの思いや期待や本音を、ママの表情や素振りや言葉から察し、自分の気持ちを抑えがちです。
なぜならHSCは平和で穏やかな関係を好むので「自分が大好きなママが期待するようにふるまうことがよいことだ。」「期待に添えない自分はよくない。」と感じるからです。
だから、HSCは自分が思うような愛をママが与えてくれないと深く傷ついてしまいます。
しかも、それが表面的にわからない場合が多いので注意が必要なのです。
ですが一方でHSCはよい環境にも影響を受けやすいので、自分が求めるママの愛や安心感を得られることができるとグーンと伸びます。
人は優しく親切でいつも安心できる存在だと学ぶことができるのです。そして安心感を得られるから積極的に挑戦できるようにもなるのです。
HSCは良くも悪くも周囲の影響を受けやすいので、子どもの時代の母子の関わり方がとても大切です。ママとの関係が安心感を得られるものであれば、その後の人付き合いでも安心ができ、幸せを感じる大人に、辛い事があっても幸せをみつけられる大人に育っていくことができるのです。
HSCへ ママからの最大のギフト
だからHSCの子に幸せな大人に育って欲しと思うならママがお子さんのありのままを受け入れ、心を満たしてあげることです。
ママがお子さんのありのままを受け入れ心を満たして、母子の関係が安定してくればお子さんは人というのは安心できるものだと学び、人付き合いで不安を感じにくい大人に育ち幸福感が増すからです。
ありのままというのはわがままを聞くという訳ではありません。人としてやってはいけないこと、人道から外れることはきっぱりとダメだということがもちろん必要です。
何がありのままかといいうと「感じること。」「考えていること。」を否定しないで聞いてあげるということです。
「〇〇が嫌だ。」「〇〇がめんどくさい。」「〇〇に飽きた。」と否定的な言葉を聞くと、親は「それではダメだ。」というメッセージを送りがちです。
「そんなこと言ってたらダメでしょ。」「早く〇〇しなさい。」と言ってみたり、叱らないにしても「このままだとろくな大人になれなのではないか。」と不安になってイライラしたりします。
それは子どもの問題を早く解決しなければと親が焦るからです。
でも子どもは「まず自分の気持ちを聞いて欲しい。」のです。そして聞いてもらえると安心して、受け入れられることで問題を解決していこうという気持ちになれるのです。
聴く事は受け入れること。受け入れられるとは安心すること。そして安心するとは安全を確保できるということ。安全安心だからこそ立ち向かっていけるのです。
だからママは焦らず堂々と構えておきましょう。子どもの「嫌。」「めんどくさい。」「腹が立つ。」という言葉自体に囚われず、受け止めることにフォーカスしましょう。
あなたが受け止めることでお子さんは安心し変わっていけるからです。
そのためにはママが一番に幸せになることです。ママがありのままの自分を好きになり幸せを感じていれば、イライラしてもモヤモヤしても「私ってこんなこと感じているんだわ。」とニュートラルに受け止められます。それができる時はお子さんにもそう接することができるからです。
ママは自分をよいコンディションに保つことを優先してください。
・疲れたら休む。疲れる前に休む。疲れない工夫をする。
・失敗しても責めない。失敗したと思うより貴重な経験をしたと思う。
・自分の弱点より長所に目を向ける。自分の弱い所も自分の一部だと認める。
・人と比べず自分なりの子育ての信念をもつ。
・自分がご機嫌でいられる時間を意識的に増やす。
ママがご機嫌で安定すれば子どもにも安定した愛を注げます。そしてそれがお子さんの安心につながり、やがてそれが大人になってからの幸福感を高めることになるのです。
「ママの幸せが子どもの幸せ」と言われるのはそういう意味です。敏感で環境に影響されやすいHSCだからこそ、影響力のあるママの幸せが大事なのです。
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